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今さらデアゴスティーニの3Dプリンターを買ってはいけない?中古購入前に知るべき「動かない」現実

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「子どもの頃に気になってたんだけど、今さら中古でデアゴスティーニの3Dプリンターって買っても大丈夫?」

こんな疑問を持っている方は、この記事を読む前にひとつだけ知っておいてください。

結論から言います。2026年8月現在、この製品を「普通に動かす」ことはほぼ不可能に近いと考えたほうがいいです。

なぜなら、対応ソフトウェアのサポートは終了しており、Windows 11での動作確認すら取られていません。メーカーの修理受付も終了し、公式コミュニティも閉鎖済み。中古で格安に手に入ったとしても、動かすための環境を整えるほうに莫大な時間と労力がかかるのが現実です。

この記事では、デアゴスティーニの週刊「マイ3Dプリンター」(idbox!)について、当時の評価をなぞるのではなく、2026年現在の「動かす現実」 を最新のユーザー報告や一次情報をもとに詳しく解説します。

そもそもデアゴスティーニの3Dプリンターってどんな製品だったの?

デアゴスティーニ・ジャパンが発行した分冊百科「週刊 マイ3Dプリンター」は、全55号を集めると自宅で3Dプリンターが組み上がるという画期的な企画でした。

ベースとなっているのはボンサイラボというメーカーの「BS01」という機種で、アクリル筐体を採用。最大造形サイズは150×130×100mm、積層ピッチは0.1mmというスペックでした(2014年発表、デアゴスティーニ公式)。

組み立てにはプラスドライバーと付属のレンチだけでいいとされ、「はんだ付け不要」で誰でも組み立てられることが大きな売りでした。

2016年9月の公式発表(アットプレス)によると、このシリーズは約23,000台が完成したとされています。

2026年現在の最大の問題:Windows 11で動かない

では、本題です。今この製品を手に入れたとき、まず最初にぶち当たる壁がこれです。

idbox!の公式対応OSはWindows 7とMac OS X(当時のバージョン)でした。Windows 10でも一部ユーザーからドライバーエラーが報告されていましたが、Windows 11に至っては動作検証すら行われていません。

実際に2026年1月、Yahoo!知恵袋で「Windows11でデアゴスティーニの3Dプリンターは使えますか?」という質問が寄せられています。現時点で明確な解決策は出ていないのが実情です。

これはどういうことかというと、PCとプリンターをつなぐ専用ソフト(スライサー)が最新のOSに対応しておらず、そもそもプリンターを認識すらしない可能性が極めて高いということです。

ソフトウェアのサポートは終了、公式コミュニティも閉鎖済み

ソフトウェアの問題だけではありません。

発売当時は専用のユーザーコミュニティが活発で、困ったときに相談できる場がありました。しかし、それらは現在ほぼすべて閉鎖されています。

デアゴスティーニ公式の有償修理受付も、シリーズの販売終了とともに終了したと見られます。正確な修理受付終了日は公表されていませんが、少なくとも2026年現在、公式サイトで修理を受け付けているという情報は確認できませんでした。

つまり、組み立て中にパーツを壊しても、基盤が故障しても、公式に頼れるところはどこもないという状態です。

ユーザーたちが実際に直面した「リアルなつまずき」

では、当時実際に組み立てたユーザーはどんな苦労をしていたのでしょうか。複数のブログやSNSの投稿を総合すると、以下のような声が多く見られました。

特に多かったのは組み立て時のトラブルです。

アクリル製のパーツに貼られた保護シートを剥がすときにパーツが折れてしまった、という報告は複数確認されています。また、内部の配線が複雑で、説明書の通りに組み立てるのが非常に難しいという声も少なくありませんでした。

さらに、電源周りについては「火災の注意書きが怖い」という趣旨の投稿も見られ、発熱やショートへの不安を感じながら使っていたユーザーがいたことがわかります。

また、完成後の運用でも予想外のハードルがありました。

付属のフィラメント(造形材料)にはスプール(巻き取り用のリール)がなく、そのままでは使いにくいという指摘が多数ありました。別途スプール付きのフィラメントを購入する必要があり、そのコストが想定外だったという声も聞かれます。

実際の出力品質については、「積層ピッチ0.1mmとはいえ、調整にものすごく時間がかかった」という趣旨の体験談が複数見られました。3Dプリンター初心者が思い通りの出力を得るには、かなりの試行錯誤が必要だったようです。

本当に必要な工具は「プラスドライバー」だけじゃなかった

公式は「プラスドライバーだけで組み立て可能」と謳っていましたが、実際のユーザー体験を見ると、事実上以下のような工具が別途必要だったという報告が複数あります。

  • マイナスドライバー(パーツの位置調整)
  • ピンセット(細かい配線やネジの取り扱い)
  • ハサミ(保護シートや結束バンドの処理)
  • ボンド(パーツの固定補助)

つまり、説明書通りにやってもパーツがうまく固定できなかったり、微調整が必要だったりする場面が多かったということです。公式の「簡単」はあくまで「はんだ付けが必要ない」という意味合いだったと推測されます。

当時の価格と今の価格を比較してみる

ここで気になるのがお金の話です。

このシリーズの価格は、創刊号が399円、第2号が1,199円、第3号以降は1,898円(いずれも税別・2016年当時の価格)でした。全55号を揃えると、総額は約11万円に達します(アットプレス、2016年9月発表)。

一方、現在の中古市場ではどうかというと、全巻セットで数千円から数万円程度で取引されているケースが多いようです。当時の半額以下、場合によっては1万円を切る価格で手に入ることもあります。

ですが、ここで冷静になってほしいのです。

現代のエントリーモデルの3Dプリンターは、実売価格3万円〜5万円程度で購入できます。しかも組み立ては数時間で完了し、最新のWindows 11やMacにも対応。世界中に巨大なユーザーコミュニティがあり、わからないことはすぐに調べられます。

中古で安く手に入れたとしても、動かすまでの工数とストレス、そして動かなかったときの損失を考えると、現代の製品を買うほうが圧倒的にトータルコストが低いと言わざるを得ません。

どうしても手に入れて挑戦したい人へ:覚悟しておくべきこと

ここまで読んでなお、「それでも挑戦してみたい」という方もいるかもしれません。

その場合、最低限以下の覚悟はしておいてください。

まず、動作するPC環境が限られます。Windows 7や古いMac OS Xが動くPCを別途用意するか、仮想環境で動かすなどの高度な知識が必要になるでしょう。Windows 10でも動作が保証されていない以上、安定して動かすのは難しいと考えたほうがいいです。

次に、部品が手に入らないということです。万が一、組み立て中に何かを壊しても、交換パーツはほぼ流通していません。3Dプリンター用の汎用パーツで代用できる場合もありますが、それには専門知識が求められます。

最後に、情報が圧倒的に少ないということです。当時の公式コミュニティは閉鎖されており、日本語の情報は2016年頃でほぼストップしています。英語の情報を探すにしても、この機種は日本限定の製品に近いため、見つけるのは難しいでしょう。

デアゴスティーニの3Dプリンターは「伝説」として楽しもう

約23,000人が完成させたというこのプロジェクトは、確かに当時としては画期的な試みでした。分冊百科で3Dプリンターが自宅に届くという仕組みは、多くの人にものづくりの楽しさを伝えました。

しかし、それはあくまで2014年から2016年という一時代の物語です。

テクノロジーの進化は速く、10年前の製品が現代の環境で快適に動くことはほとんどありません。特にOSやドライバーに依存する製品は、サポートが終了すればそこで終わりです。

中古で安く手に入るからといって飛びつく前に、もう一度考えてみてください。

「動かすこと自体を楽しめるか?」
「トラブルシューティングに何十時間も費やす覚悟があるか?」
「それでも最新の3Dプリンターを買うより魅力があるか?」

もし自信がなければ、この製品は「あの頃こんなものがあったな」と過去の思い出として大切にしておくのが、心の平穏のためには一番かもしれません。

とはいえ、どうしても挑戦したい方は、この記事で紹介した落とし穴を一つひとつ乗り越えるつもりで臨んでください。そしてもし無事に動かせたなら、ぜひその方法を誰かのために公開してあげてください。それがこの製品の「本当の使い道」なのかもしれません。

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