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ダ・ヴィンチの3Dプリンター、本体価格の罠。純正フィラメントでどれだけ損するか徹底計算

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「3Dプリンターをはじめてみたいけど、どのメーカーを選べばいいんだろう……」。そんな風に迷っているとき、ダ・ヴィンチシリーズの価格を見て、「これなら手が出せる!」と心が動いた経験、ありませんか?

たしかに、エントリーモデルなら4万円台から買えるのは大きな魅力です。でも、ここでちょっと待ってください。3Dプリンターの本当のコストは、本体価格だけじゃないんです。特にダ・ヴィンチを選ぶとき、あなたが絶対に知っておくべきポイントがあります。

結論から言います。ダ・ヴィンチのエントリーモデル(nano wやmini w+)は、純正フィラメントカートリッジ専用です。この「純正縛り」が、長く使い続けるときのランニングコストを大きく押し上げます。一方、上位モデルのPro EVOはオープンフィラメントに対応し、素材の自由度も段違い。5年後、10年後も納得して使い続けられるかどうかは、この「フィラメントの選択肢」で決まると言っても過言ではありません。

この記事では、ユーザーのリアルな声や実際の価格データをもとに、ダ・ヴィンチシリーズの「見えにくいコスト」を徹底的に見える化します。「安いから」だけで選んで後悔しないために、ぜひ最後まで読んでみてください。

ダ・ヴィンチの「純正フィラメント専用」がもたらすリアルなコスト

ダ・ヴィンチシリーズのなかでも、特に初心者向けとして人気のダヴィンチ nano wやダヴィンチ mini w+。これらのモデルは、XYZプリンティング社が提供する純正フィラメントカートリッジしか使えません。

なぜこんな仕様になっているのかというと、これはいわゆる「ジレットのビジネスモデル」。本体を安く販売して、消耗品であるフィラメントで利益を得るという戦略です。

では、この純正フィラメント、具体的にどのくらいのコスト感なんでしょうか。

実は、ダ・ヴィンチ1.0が2014年に発売された当時(週刊アスキー、2014年4月の記事より)、純正フィラメントは600gで3,280円、1gあたり約5.4円でした。この価格は当時としては「安い部類」だったそうです。

でも、ここがポイント。2024年現在、3Dプリンター市場は大きく変わりました。サードパーティ製のフィラメントは、1kgあたり2,000円〜3,000円、つまり1gあたり2〜3円で普通に買える時代です。

つまり、ダ・ヴィンチの純正フィラメントは、相場の約2倍の価格だということ。仮に1kgのフィラメントを使い切るとすると、純正では約9,000円以上かかる計算になります。サードパーティ製なら3,000円前後ですから、その差は実に6,000円以上。

1年間に数kg使うような使い方をするなら、本体価格の差なんてすぐに吹き飛んでしまいます。

ユーザーが実際に感じている「純正の壁」──口コミから見える不満の本音

Yahoo!知恵袋(2022年3月投稿)やモノタロウの商品レビュー(2015年〜2021年の複数投稿)などを見ると、ダ・ヴィンチユーザーからの不満がいくつか浮かび上がってきます。

まず多いのが「純正フィラメントが高い」という声。これはもう、どのレビューサイトでも共通して見られる傾向です。

さらに、純正カートリッジにはNFCチップが搭載されていて、残量管理を行っているのですが、これがかえって仇になっているケースも。「残りがまだあるのにエラーが出て使えなくなった」といった報告が複数見られました。カートリッジ内部にフィラメントが残っているのに、システムが「空です」と判断して印刷を止めてしまうんですね。

また、ソフトウェア面では「Wi-Fi接続が不安定で、電源を切ると設定がリセットされる」とか、「専用ソフトがデータを送信できず、USBポートを変えたら直った」といったトラブルも報告されています。

そして、フィラメントのつまりに関しても「アンロード時にフィラメントが折れて詰まる」「ノズルの掃除がしにくい」という声が。特に初心者には、こういったメンテナンスの手間はかなりのストレスになるようです。

逆にポジティブな声としては、「価格のわりに造形品質がいい」「自動キャリブレーションが楽」「初心者でもすぐに使えた」という評価がありました。本体そのものの完成度は、価格帯を考えれば十分満足できるレベルにあるようです。

オープンフィラメント対応モデル「Pro EVO」の実力

ここで注目したいのが、ダ・ヴィンチシリーズのフラッグシップモデル、ダヴィンチ Pro EVOです。

このモデルは2022年9月に発表(XYZプリンティングジャパン発表、ShareLab 2022年9月20日記事より)され、価格は239,800円(税込)と、エントリーモデルとはかなり価格差があります。

でも、その価格にはちゃんと理由があります。Pro EVOはオープンフィラメント方式を採用しているんです。つまり、サードパーティ製のフィラメントが自由に使えます。これだけでランニングコストが一気に下がることは先ほどお伝えしたとおりです。

そして、もっとすごいのが対応素材の広さ。PLAはもちろんのこと、ABS、PETG、TPU(柔軟素材)、PA(ナイロン)、PC(ポリカーボネート) といったエンジニアリングプラスチックにも対応しています(高温ノズルはオプション)。これはエントリーモデルとは次元の違う“ものづくりの可能性”です。

PLAしか使えないnano wでは、強度が必要なパーツや熱に弱い場所に使う造形物は作れません。でもPro EVOなら、強度や耐熱性が求められる実用的なパーツの製作も視野に入ってきます。

シリーズ全体を比較すると何が違うのか──運用コストと素材自由度の視点で

ここで、主要なダ・ヴィンチシリーズの機種を比較してみましょう。価格や造形サイズも大事ですが、フィラメントの形態がランニングコストとできることの幅を決める最大のポイントです。

ダヴィンチ nano w(参考価格約41,800円)は造形サイズ120mm角とコンパクトで、純正カートリッジ専用。対応素材はPLAのみです。初心者が「とりあえず試してみる」にはいいですが、長く使うとフィラメント代がかさみます。

ダヴィンチ mini w+(参考価格約66,000円)も純正カートリッジ専用。造形サイズは150mm角程度(推定)で、もう少し大きなものが作れますが、素材の制約は同じです。

ダヴィンチ 1.0 Pro(参考価格121,000円)は、ここからオープンフィラメントに対応。PLA、ABS、PETGなどが使え、造形サイズも200mm角に広がります。

ダヴィンチ Pro EVO(参考価格218,000円)はオープンフィラメントで、先述の通りエンプラにも対応。造形サイズは220x200x200mmです。

ダヴィンチ Super(参考価格398,000円)は業務用に近い大型モデルで、造形サイズは300mm角。もちろんオープンフィラメントです。

(※価格・スペックは各記事公開時の情報に基づきます。最新の価格は販売店でご確認ください。)

この比較でわかるのは、nano wやmini w+といった入門モデルは「純正フィラメントのコスト」という隠れた負担があるということ。逆に、Pro EVO以上のモデルは本体価格は高いものの、フィラメント代を長期的に抑えられるうえ、作れるもののバリエーションが格段に広がります。

8年前のダ・ヴィンチ1.0がまだ現役で使える理由

個人ブログ(福野泰介氏のブログ、2022年7月投稿)には、発売から8年経ったダ・ヴィンチ1.0がまだ現役で使われている事例が紹介されていました。エクストルーダ(フィラメントを送り出す部分)の配線接触不良を自分ではんだ付けで修理して復活させたという内容です。

この話が示しているのは、ダ・ヴィンチシリーズの構造が比較的シンプルで、ある程度のDIY心があれば長く使い続けられるということ。同時に、純正フィラメントの価格は8年前とほとんど変わっていないという指摘もありました。本体は買い替えずに済んでも、フィラメント代は変わらずかかり続ける。これも考慮しておくべきポイントです。

ちなみに、オープンフィラメント非対応のモデルでも、SDカード経由で印刷を強行するなどの「裏技」がユーザーコミュニティで共有されているケースもあるようです。とはいえ、これらはあくまで自己責任の世界。公式サポートの範囲外であることは理解しておいたほうがいいでしょう。

そもそも「自分は何を作りたいのか」がすべての出発点

ここまでの話を整理すると、ダ・ヴィンチシリーズの選択肢は、ざっくりと2つの道に分かれます。

ひとつは、nano wやmini w+のような純正専用エントリーモデル。初期投資を抑えられて、すぐに3Dプリントを体験できるのが魅力です。ただし、フィラメント代は割高で、作れるものはPLA素材のフィギュアや小物、試作品などに限られます。「とりあえず触ってみたい」「何より安く始めたい」という人に向いています。

もうひとつは、Pro EVOのようなオープンフィラメント対応の上位モデル。本体価格は高いものの、フィラメントの選択肢が広がり、長期的なコストパフォーマンスに優れます。ABSやPETG、さらにはナイロンやポリカーボネートまで使えるので、強度や耐久性が求められる実用的なパーツ作りも可能になります。「ただの趣味じゃなくて、ものづくりを仕事や作品づくりに活かしたい」という人にはこちらの選択肢が合っています。

どちらが「正解」かは、あなたの目的次第です。でも、ひとつだけ言えるのは、本体価格だけで判断してはいけないということ。フィラメント代と使える素材の範囲まで含めてトータルで考えることが、後悔しない買い物の鍵を握っています。

あなたの「作りたい未来」に合わせて選ぼう

3Dプリンターは、アイデアを形にするための夢のあるツールです。でも、その夢をしっかり叶えるためには、ちょっとした「コストのカラクリ」を知っておくことが大切です。

ダ・ヴィンチシリーズは、日本でも多くのユーザーに愛されてきた実績のあるブランドです。nano wの手軽さも、Pro EVOの本格派ぶりも、どちらも間違いなくいい製品です。問題は、あなたの使い方とマッチしているかどうか。

もしあなたが、「まずは気軽に始めてみたい」というタイプなら、nano wは有力な選択肢のひとつです。でも、「長く使い続けて、いろんな素材に挑戦したい」「実用的なパーツを作りたい」と考えているなら、Pro EVOをはじめとするオープンフィラメント対応モデルを視野に入れることを強くおすすめします。

3Dプリンター選びで一番もったいないのは、「安さ」だけに飛びついて、あとから「思ってたのと違った……」と後悔することです。この記事が、あなたにとって「自分にぴったりの一台」を見つけるための、ちょっとした道しるべになれば幸いです。

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